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EDIUS Pro 4 検証レポート
コムワークス PC事業部 上村敬太郎


6月末に出荷開始されたEDIUS Pro4を検証する機会に恵まれました。バージョンアップされた新機能を中心にお伝えしていきたいと思います。
検証に使用したマシンは、ComStationシリーズで発売しているXeonマシンです。

検証マシンスペック

CPU:Xeon 3.4GHz Dual 
メモリ:2GB
チップセット:E7525

ライセンスについて
 ドングル
(写真1)クリックで拡大します。
 ドングル

●ライセンスのドングル化
今回からライセンスはWebからのアクティベートではなく、ドングル認証に変わりました。今までPC固定で1ライセンス最大2台まででしかも同時利用不可能だったのが、今回から複数のPCへインストールしPCを変えての作業が可能になりました。ただし利用できるのはドングルを挿しているPC一台のみというのは変わりません。ドングルはUSBドングルで、小さくて持ち運びには便利です。
USBドングル内のライセンスの移動も可能です。USB同士か、USBとPC間でライセンスの移動が可能なのでCodec OptionなどのEDIUSオプションのドングルを一つにまとめることもできます。

プロジェクト
プロジェクト設定
(写真2) クリックで拡大します。
プロジェクト設定

●プロジェクト設定
出力デバイスの設定の段階でSD/HD、NTSC/PALを分別することができ、以前よりもわかりやすくなっています。
そしてFull HDの1920X1080に対応したことにより、ゲーム業界などでも問題なく運用可能になりました。(ただしフルサポートされるのはHDWSシリーズのみ)
さらに、設定したプロジェクト設定をプリセットとして保存しておくことが出来るようになりました。
普段よく使う設定を保存しておくことにより、設定間違いを防いだり毎回設定する手間を省いたりすることが出来ます。


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インターフェース
GUI 画面
(写真3)クリックで拡大します
GUI 画面
ウィンドウカラーのカスタマイズ
(写真4)クリックで拡大します
ウィンドウカラーのカスタマイズ

●GUI
パッと見は大きく変わったようには見えませんが、所々で非常に使い勝手が良くなりました。まず、メニューがEDIUSボタンから外に出て、メニューバーに並びました。いままで探すのに苦労したメニューコマンドがわかりやすく見つけられるようになりました。
そして、各ウィンドウの角が丸かったものが四角くなり、その丸め処理が無くなった分表示が軽くなりました。
また各ウィンドウ同士がスナップするようになり、簡単に綺麗に並べられるようになりました。
さらに、ウィンドウカラーのカスタマイズもできるようになりました。設定>アプリケーション設定>カスタマイズ>ウィンドウカラーでRGBを各±32まで変更することができ、映像や気分に合わせてカスタマイズするのもいいかもしれません。


   
HDD使用率
(写真5)クリックで拡大します
HDD使用率
●HDD使用率表示
画面右下にプロジェクトの使用しているHDDの使用率が表示されるようになりました。これで残り容量などが簡単に把握できるので、キャプチャや出力時の容量不足を回避するのに役立ちます。
   
ビンウインドウに格納
(写真6)クリックで拡大します
ビンウインドウに格納
●各パレットウィンドウをタブとして格納可能
各ウィンドウにタブが搭載されたので、そのタブを他のパレットウィンドウにドラッグアンドドロップで格納することができるようになりました。タブの切り替えだけで使いたいウインドウに切り替えることができます。
今までパレットウィンドウにスペースを奪われ、肝心のプレビュー、タイムラインが狭くて困っていた方には非常にありがたい機能です。

キャプチャ 
キャプチャ 
(写真7)クリックで拡大します
キャプチャ 

いままではプレビューウィンドウ上部のバーで入力切替を行っていましたが、そのバーがなくなり、メニューバーのキャプチャから切り替えを行うようになりました。




編集
ネストシーケンス
(写真9)クリックで拡大します
ネストシーケンス

●ネストシーケンス機能
他のソフトでは一般的なネストシーケンス機能をEDIUSも搭載しました。
この機能は、ひとつのプロジェクトに複数のシーケンスを作成することができ、そのシーケンスをクリップとして扱うことができます。
それによりシーケンスを変更すると、そのシーケンスが使われているところにも変更が反映されます。
それを利用して、まずシーンごとにシーケンスを作り大まかに編集し、尺を決めた後、それぞれのシーケンスで細かくカットを編集するといった手法をとることができます。また、シーケンスのインポートもできるのでシーンごとに分担して作業することも可能になりました。
使用方法としては ファイル>新規作成>シーケンス もしくは Binウィンドウで右クリック>新規シーケンスで新しくシーケンスを作成できます。シーケンスの切り替えは、Binウィンドウで使いたいシーケンスをダブルクリック もしくは タイムラインの上部タブをクリックで行えます。そしてシーケンスはクリップと同様に扱えて、他のシーケンスに挿入することができます。
ただし、シーケンスAにシーケンスAを入れることはできません。また、シーケンスBをシーケンスCに入れた後、シーケンスCをシーケンスBに入れることもできません。矛盾することはちゃんとできないようになっております。


   
マルチカム編集
(写真10)クリックで拡大します
マルチカム編集
●マルチカム編集
EDIUSもバージョン4で最大8画面のマルチカム編集にも対応しました。ライブやイベントで複数台のカメラで撮影した映像を編集時に再生しながら簡単にスイッチングできるようになりました。
使用方法としては、まずシーケンスにマルチカム編集したいクリップを1トラック1カメラという感じで各トラックに並べ、同期を調節します。同期調節は モード>同期ポイント から非同期、タイムコード、録画時刻、クリップIn点、クリップOut点で調節することができます。同期調節したら モード>マルチカム からマルチカム編集を開始できます。
プレビュー画面にまず3台のカメラとマスターの映像が現れます。表示カメラ台数を変更する場合は モード>画面数 から2画面、3画面、5画面、8画面と変更できます。そして、再生しながらプレビュー画面の各カメラをクリック もしくは テンキーの1〜8を押すことにより各カメラをスイッチングすることができます。再生を止めると、タイムラインにマーカーが打たれてドラッグすることにより微調整することが可能です。また、頭から再生してスイッチングし直す事も可能です。
再生が重くてコマ落ちが激しい時は、モード>間引きフレーム数 の設定で少しフレームレートを落としてあげることによりリアルタイムに近い状態で編集することができるようになります。そしてマルチカム編集が終わりましたら、モード>採用クリップをトラックにまとめる で一本のトラックにまとめることができます。一本のトラックにまとめることによりトランジションやフィルタをかけることができるようになります。ただし、まとめた後のトラックはマルチカムでの変更は更新されませんので、変更がある場合は再度トラックにまとめ直す必要があります。
今回HDVを間引きフレーム無しで8本回してみたのですが、激しいコマ落ちも無く十分編集可能なレベルで再生できました。



   
タイムリマップ
(写真11)クリックで拡大します
タイムリマップ
●タイムリマップ
今回からタイムリマップ機能も使えるようになりました。タイムリマップとは最近流行の早送り巻き戻しなど時間を操る演出で使われます。
他のソフトではグラフでの操作が多い中、EDIUSでは実時間に対してクリップの時間を指定する方式をとっております。
それにより意図した時間に意図したフレームを表示して効果を適応することが簡単にできるようになりました。
使用方法は、タイムラインに配置したクリップを右クリック>タイムリマップ で編集画面が現れます。
上のタイムラインは実時間で、下がクリップのタイムラインになっております。まず目的の時間にキーを追加し、
そのときのクリップの時間を指定してあげるだけです。それだけでそのキーの間が自動的に速度調整されて再生される仕組みです。
そしてキーを前後で速度変化を滑らかにするスムージング機能により自然な再生を可能にしております。
編集画面でもリアルタイムプレビューができるので即座に確認しながら編集することができ、非常に使いやすいものになっております。

   
トリムモード
(写真12)クリックで拡大します
トリムモード
●トリムモード
EDIUS Pro 4ではトリム機能が強化されました。モード>トリム でトリムモードが立ち上がり、キーボードの(,)と(.)で
フレーム単位のトリムが行えるようになりました。また、PageUp/Downでトリム位置の切り替えもできます。
リニア編集経験者にとって非常に使いやすい環境になりました。

   
リップルモード
(写真13)クリックで拡大します
リップルモード
●リップルモードのON/OFF
今回からリップルモードのON/OFFが設定可能になりました。以前までは不要なクリップをタイムラインから削除するとスペースが空いてしまいました。そして後からリップルの削除でスペースを詰めていました。しかし今回からリップルモードをONにしておく事によりクリップを削除するだけだけで自動的に後ろのクリップが詰まるようになりました。リップルを残しておきたい場合はリップルモードをOFF
にしておくだけでよいので、より編集が便利になりました。設定の方法は モード>リップル にチェックを入れるとON、はずすとOFF、またはタイムラインの上部アイコンにリップルモードの設定というものがありますので、そこのON/OFFで設定できます。

   
●タイムラインスケールの無段階設定
タイムラインスケールも無段階になりました。以前はスライダーもスケールの選択と同じ段階式でしたが、今回からはスライダーでは無段階でスケールを調整できるようになり、編集者のより使いやすいスケールで編集することができるようになりました。
エフェクト
カラーコレクション
(写真14)クリックで拡大します
カラーコレクション

●カラーコレクションのキーフレーム対応
EDIUS Pro 4ではカラーコレクション(YUVカーブ、カラーバランス、カラーホイール、ホワイトバランス、モノトーン)が
キーフレームに対応しました。色や明るさを時間軸に沿って変化させることが可能になり、より複雑な表現が可能になります。
使い方としては、カラーコレクションのエフェクトを適応し、そのエフェクトの編集画面を開きます。そしてキーフレームを有効にチェックを入れます。それにより、任意のフレームで値を変更するだけで自動的にキーフレームが打たれます。
カーブの編集方法はベジェ曲線なので少ないキーフレームで複雑なアニメーションが可能です。
そして、リアルタイムでプレビューしながら編集できるので、より直感的な編集が可能です。



   
エフェクトリスト
(写真15)クリックで拡大します
エフェクトリスト
●エフェクトのアイコン化
エフェクトの各機能がアイコンとして表示できるようになりました。エフェクトウィンドウの右上の「エフェクトリストの表示/非表示」ボタンを押すと各エフェクト効果がアイコンに切り替わり、視覚的に効果がわかるようになりました。トランジションのアイコンはそれぞれ選択するだけでアニメーションプレビューを見ることができます。初心者の方でも直感的に使いたいエフェクトを選べるようになりました。






エンコード
Speed Encoder
(写真16)クリックで拡大します
エフェクトリスト

●Speed Encoder標準搭載 
なんとEDIUS Pro 4にはいままでは別売りだったSpeed Encoderが標準で搭載されました。これは大変嬉しい事で、
HDVのエンコードのスピードが飛躍的に向上します。
使い方としては、ファイルに出力からSpeed Encoder for HDVを選択するだけです。そしてファイル名と品質/速度
を選択して保存をクリックするだけです。品質/速度は高画質であれば業務用としても問題ないレベルですが、
映像がMPEG的にきつい水面やちらつきの激しいものでしたら最高画質をお勧めします。
Pro CoderとSpeed Encoderの比較検証として00:05:00:02のクリップにYUVカーブを適応しエンコードしてみました。

検証マシンスペック

CPU:Xeon 3.4GHz Dual 
メモリ:2GB
チップセット:E7525
 
高画質
最高画質
Pro Coder
14分13秒(2.84倍)
24分16秒(4.85倍)
Speed Encoder
8分32秒(1.71倍)
12分26秒(2.49倍)
(コムワークス調べ)

という圧倒的にSpeed Encoderが早い結果になりました。よりEDIUSでのHDV編集が強化されたと言えるでしょう。
例えば2時間の作品を今までは最高画質なら約9時間以上エンコード時間がかかっていたものがSpeed Encoderを使えば出力も合わせて約5時間で済む事により、かなりの時間短縮が可能になります。


その他
アルファチャンネル
(写真17)クリックで拡大します
元となるクリップ
アルファチャンネル
(写真18)クリックで拡大します
マット用の白黒のクリップ
アルファチャンネル
(写真19)クリックで拡大します
アルファチャンネル
アルファチャンネル
(写真20)クリックで拡大します
アルファチャンネル付きの動画

●Canopus HQ Software Codec のアルファチャンネル対応
いままではアルファチャンネルを使用するためには静止画連番を使用せざるをえませんでした。しかしそれには扱いの不便さと容量の大きさの問題がありました。そして今回Canopus HQ Software Codecがアルファチャンネルに対応したことにより、合成ソフトから出力するアルファチャンネル付きの動画を連番TGAの約1/20という驚くほどの低容量にまとめることができます。
またEDIUS内部でも、アルファチャンネルを持っていないクリップにアルファチャンネルを付加することも可能です。
アルファチャンネルを持ったクリップもしくはマット用の白黒のクリップを用意し、元となるクリップとアルファチャンネル用のクリップを両方選択し、その上で右クリック>変換>アルファマット でアルファチャンネル付のCanopus HQ Software Codecのファイルを作ることができます。アルファチャンネルへの変換方式としてはアルファマット、アルファマット(反転)、ルミナンスマット、ルミナンスマット(反転)とありますので、白黒の画像を作るだけで簡単にアルファチャンネルとして付加することが可能です。
この機能により合成ソフトで作った複雑なタイトル素材や、合成素材をより便利に扱うことができます。CGや合成を使用した編集や、ゲームムービーの編集でも十分に力を発揮できるようになりました。



   
●クリップの変換機能
Binに追加したクリップをEDIUS上からコーデック変換、ビットレート変換、ダウンコンバート変換ができるようになりました。
それにより編集に適したデータに変換し、効率よく編集することが可能です。変換方法は、Binのクリップを右クリック>変換>ファイル変換 で、Canopus HQのオンライン画質/オフライン画質/高画質SDダウンコンバート/低ビットレートSDダウンコンバート、Canopus Lossless、RGB非圧縮へ変換することが可能です。ただしSDのクリップはアップコンバートはできません。

   
読み込みプレビュー
(写真21)クリックで拡大します
アルファチャンネル付きの動画
●ファイル読み込み時の機能強化
Binにファイルを読み込むときにプレビューを表示するようになりました。いままでファイル名があやふやでどんな映像かわからなかった
ファイルを読み込み前に確認することができるようになりました。ただし静止画連番の場合はシーケンスとして読み込むにチェックを
いれても一枚ずつのプレビューしかできませんでした。
そしてファイル読み込み前に、クリップ名、コメント、クリップの色を指定できるようになりました。これでBinに取り込んだ後に
どのクリップがどの映像かわからなくなるのを防ぐことができます。ただし複数同時に読み込む場合はクリップ名は指定できず、コメントとクリップの色は共通になります。

まとめ
今回EDIUS Pro 4を使用してみて、Pro 3からの大きな進化に驚きました。パッと見はそんなに変わった感じは無いのですが、実際に使ってみると不便だったところが改善され、メニューバーやウィンドウの格納など、かなり使いやすくなっております。そして今となっては当たり前となりつつあるシーケンスのネスト化とマルチカム編集、タイムリマップが新機能として追加されました。開発に時間をかけたというだけあって、それぞれが非常に使いやすくなっております。マルチカム編集では、編集結果を1トラックにまとめることができ、そこへトランジションを適応できるのがありがたいです。そして注目したいのがSpeed Encoderの標準搭載です。HDVの編集では必ず付いて回るエンコード時間の問題ですが、Speed Encoderの標準搭載によりHDVのエンコードに費やしていた莫大な時間をおよそ半分にすることができるようになりました。これは非常にありがたい機能です。今回のバージョンアップによりEDIUSはHD映像編集においても他の競合ソフトに引けをとらない素晴らしい編集ソフトに仕上がりました。快適なHDV編集をご希望の方は是非EDIUS Pro 4を使用してみてはいかがでしょう。

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