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VELXUS 300 試用レポート(2)

コムワークス PC事業部 今井英夫

引き続きVELXUS 300の検証を続ける。
前回の記事を書き終えた直後にカノープス様よりEDIUS PowerUp Kit Premiumを借りることができたので今回はその検証をしてみる。

■EDIUS Power Up Kit Premiumとは
EDIUS Power Up Kit Premiumとは「EDIUS Power Up Kit Speed Encoder for HDV」(標準価格18,000円)、Windows Media形式の映像/音声を編集可能にする「EDIUS Power Up Kit for WindowsMedia」(標準価格3,000円)、トランジションエフェクトとノイズ軽減VSTのプラグインセット「EDIUS Power Up Kit」(標準価格5,000円)の3つがセットになったEDIUS Pro3/EDIUS for HDV用プラグインである。(写真1)
単体でもそれぞれ発売されているがセットで購入したほうがお得だ。(単品購入時合計26,000円 Premium購入時24,000円 以上すべて税別
商品の詳細はカノープスホームページ
http://www.canopus.co.jp/catalog/edius/edius_puk_pm_index.htm)を見てほしい。

EDIUS Power Up Kit Premium
(写真1)
EDIUS Power Up Kit Premium
1.EDIUS Power Up Kit Speed Encoder for HDV

HDVを出力する際に最大の難関となるのがMPEG形式への再変換であろう。他のシステムでも、ネイティブ対応であってもトラジション・エフェクト・テロップなどを挿入すればレンダリングは必要になるし、EDIUSをはじめとしたトランスコード系システムの場合はもう一度HDV形式へファイル変換を行わなくてはならない。

前回の記事でも触れたとおり、EDIUSベースシステムを使用してもXeonベースで実時間(タイムライン・IN/OUT)の3-5倍、PentiumDベースで4-6倍程度の時間がかかっている。これはトランスコード系システムの性であるが、スマートレンダリングを行うシステムでもウォーターマークのようなテロップを延々とオーバレイさせるような内容であったり、全体的にカラコレなどのエフェクトを多用するであればトランスすることとあまり変わらない。

と、まあHDVに出力するとなるとテープ書き出しの時間も含め大体7倍程度の時間がかかるのは常であり、どのようなシステムを導入するにせよ極論すれば今のところは60分の完パケをテープに戻すには最大7時間程度はかかるということである。
このノンリニア黎明期のような、膨大なエンコード・レンダリング時間を軽減させるプラグインが上記Speed Encoderなのである。

実際に検証を取ってみたのでご覧いただきたい。
エンコード元データは1080i/60iの素材を5分に編集したもの、テロップを最大2本(ウォーターマークとクロール)トラジションはディゾルブのみ、全体的にカラコレをかけている。
(写真2)

この素材を最高画質・高画質モードでProcoderとSpeed Encoderでエンコードしてみた。

結果は一目瞭然である。Procoderは前回の記事でもPentiumDでのエンコード時間は4-6倍程度と記載した通りの結果を出したが、Speed Encoderでは最高画質で実時間の3倍強、高画質で2倍強で完了してくれた。

Xeonを使用すればさらに良好な結果が期待できる。
いや、本当に+18,000円でこれだけエンコード時間が短くなるのであれば、HDV編集では「お勧めする」どころか「必須」であろう。

(2006/1/10追加補足)
SpeedEncoderを使用した場合とProcoderを使用した場合の画質チェックが上がったので紹介してみる。

元映像はHQスタンダードで取り込んだもの。
(写真3)

他4点はそれぞれSpeedEncoder高画質・最高画質とProcoder高画質と最高画質で書き出したものだ。まったく同一フレームでないことはご了承いただきたい。

元映像はご覧の通りMPEG的に厳しいところを狙ってみた。また、下部のテロップはクロールにしている。切り出した画は倍率を200%に上げた。(写真4)

元映像がスタンダードなので、どちらも最高画質にしたところで高画質と変わりない。またProcoder(写真5,7)とSpeedEncoder(写真6,8)の違いもお分かりになるだろうか。

■Procoder/SpeedEncoderを使用したHDV書き出しテスト
条件
CPU
PentiumD 830(3.0GHz) Pentium4 Xeon3.4GHz Dual
メモリ
1GB DDR2-533MHz
1GB DDR2-533MHz
チップセット
Intel 945P Intel 7525
HDD
SATA RAID-0 素材ファイルと
同一ドライブ内に書き出し

タイムラインデータ
素材
1080/60i(HVR-Z1Jで撮影したもの) HQ Standard
BGM用オーディオ MP3 256kbps
時間 00;00;05;00;02(ドロップフレーム)
エフェクト
YUVカーブをタイムライン全体に適用
トラジション
ディゾルブのみ使用
ストリーム数
最大1ビデオ2タイトル 2オーディオ

検証に使用したエンコード元データ
(写真2)クリックで拡大します。
検証に使用したエンコード元データ


結果

PentiumD 830(3.0GHz)
intel Xeon3.4GHz Dual
元映像
5分00秒
Procoder 最高画質
26分44秒
24分29秒
Procoder高画質
15分30秒
14分28秒
SpeedEncoder最高画質
18分40秒
15分3秒
SpeedEncoder高画質
11分33秒
9分28秒
エンコード時間
※ストップウォッチによる手動計測、端数省略
HQスタンダードの元映像 HQスタンダードの元映像の切り出し画

(写真3)クリックで拡大します。
HQスタンダードの元映像

(写真4)クリックで拡大します。
HQスタンダードの元映像の切り出し画
   
Procoder 最高画質 SpeedEncoder 最高画質
(写真5)クリックで拡大します。
Procoder 最高画質
(写真6)クリックで拡大します。
SpeedEncoder 最高画質
   
Procoder 高画質 SpeedEncoder 高画質
(写真7)クリックで拡大します。
Procoder 高画質
(写真8)クリックで拡大します。
SpeedEncoder 高画質
2.EDIUS Power Up Kit for WindowsMedia


ご存知の通りノーマルのEDIUSではWindows Media(WM)形式の出力は可能だが、BIN/タイムライン上にWMを読み込むことはできない。EDIUS Power Up Kit for WindowsMediaはEDIUS上でWM形式を取り扱いできるようにするプラグインだ。
あまりWMビデオ形式のファイルを再編集するということはないだろうが、用途として考えられるのはWMオーディオを読み込むといったことだろうか。

最近、ハードディスク・フラッシュメモリに保存するタイプの携帯音楽プレイヤーが流行しているのは良くご存知だと思う。メーカーによっては汎用性の高いMP3形式で保存してくれるプレイヤーもあるが、WMA形式のオーディオで保存するようなプレイヤーも様々なメーカーから発売されている。
その携帯プレイヤー(または管理しているPC)に保存されているWMオーディオを使用したいときは、一旦オーディオデータをWAV形式やMP3へ再変換してからEDIUSへ持っていかなくてはならなかったが、このプラグインを使用することによりその手間がなくなる。

 


 

検証に使用したエンコード元データ
(写真9)
このプラグインを使用することによりWMオーディオを直接読み込み可能になる
3.EDIUS Power Up Kit


EDIUS Power Up KitはEDIUS用のトラジション・エフェクト追加パックとSoundSoap 2 VST Pluginというノイズ軽減プラグインのセットである。
トラジションエフェクトは90種類以上あるので、下記ページから動作を確認してほしい。
(カノープス EDIUS Power Up Kitページ 読み込みに時間がかかる場合があります)
http://www.canopus.co.jp/catalog/edius/edius_puk_adorage1.htm
http://www.canopus.co.jp/catalog/edius/edius_puk_adorage2.htm
http://www.canopus.co.jp/catalog/edius/edius_puk_adorage3.htm

SoundSoap2のノイズ軽減プラグインは主にアフレコやマイク入力の場合に多用することだろう。
注意してマイクボリュームを調整しても環境によって入ってくる音のレベルが変わることも多く、取り込んでみると思ったよりレベルが上がっていないことも多い。仕方ないのでゲインをかけると全体的にサーっというノイズがうっすらと入り始めるといった経験はないだろうか。
それまでEDIUSをベースにノイズリダクションを行おうとすると、別途DigiOnSoundやAudition等のソフトを使用するしかなかった。筆者は主にノイズリダクションが簡単にできるのでAdobe Audition1.5を使用しているが問題もある。1回WAVファイルに保存後EDIUSで読み込み直し、オーディオラインを差し替えなければならない。この手間が結構面倒と感じるのは筆者だけだろうか。

SoundSoap2を使用すれば、オーディオエフェクトの形で適用できるので非常に手間がない。
(写真10)

使用方法はノイズリダクションをかけたいAラインかVAラインのクリップにドラッグアンドドロップし、インフォメーションウィンドウから設定画面を呼び出すといういつもの方法だ。(写真11)

設定画面からは以下の内容を変更できる。
(写真12)


Noise Tuner・・除去したいノイズ周波数を設定する。
Noise Reduction・・ノイズ軽減の量を設定する。
Remove Click&Crackleスライダー・・クリック/クラックル除去のしきい値を決めるスライダー。クリックとは瞬間的におきるノイズであり、クラックルは小さく連続的におきるノイズ。
Enhanceスライダー・・劣化したメディアファイルの周波数を補正する。
Preserve Voiceボタン・・人間の音声以外の周波数を削除する。
Broadband Modeセレクション・・ノイズリダクションのOn/Offおよびノイズのみをモニターすることができる。適用前と適用後のチェックに使用する。
Remove Humコントローラ・・電波の混信などで発生するハムノイズを除去する。電気の周波数帯はそれぞれの地域(西日本60Hz/東日本50Hz)で設定してほしい。


これらを調整しノイズを軽減していくのだが、正直これらの微調整は習熟に手間がかかることと考える。自動設定機能がついているので、まずは「Learn Noise」ボタンを押しオーディオを自動調整させ、その効果を試してみよう。ボイスオーバーを使用しアフレコを行ったときはPreserve Voiceも有効だ。そこから少しずつパラメータを触り、設定の感触をつかんでもらいたい。
ただ、ノイズリダクションは特定周波数を除去する仕組みなので、他MAソフトと同じくかけすぎると音が歪んだりするので必ずプレビューでチェックするようにしてもらいたい。

それと、インストール時にアクティベーションを行なわないとSoundSoap2を使用することができない。アクティベーション画面は英文で提供されるので不安を感じる方は、付属のペーパーかカノープスのサイトをご覧いただき手続きを確認してから行なってほしい。
(カノープス SoundSoap2アクティベーション方法ページ)
http://www.canopus.co.jp/tech/faqid/faq000703.htm

 

オーディオエフェクトからSoundSoap2を選択し、適用する
(写真10)クリックで拡大します。
オーディオエフェクトからSoundSoap2を選択し、適用する
 
インフォメーションウィンドウから設定画面を呼び出す

(写真11)クリックで拡大します。
インフォメーションウィンドウから設定画面を呼び出す

 
SoundSoap2設定画面
(写真12)クリックで拡大します。
SoundSoap2設定画面
まとめ

EDIUS Power Up Kit Premium総じて、Power Up Kitは無いと大変困った事態になる訳ではないが、あれば便利なツールが豊富に取り揃えられている。以上の記事をご覧になって興味をもたれた方は、弊社サイトで購入可能なので実際に手にしてほしい。


EDIUS Power Up Kit Premium 23,940円(税込)
EDIUS Power Up Kit Speed Encoder for HDV 19,800円(税込)


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