HDVを出力する際に最大の難関となるのがMPEG形式への再変換であろう。他のシステムでも、ネイティブ対応であってもトラジション・エフェクト・テロップなどを挿入すればレンダリングは必要になるし、EDIUSをはじめとしたトランスコード系システムの場合はもう一度HDV形式へファイル変換を行わなくてはならない。
前回の記事でも触れたとおり、EDIUSベースシステムを使用してもXeonベースで実時間(タイムライン・IN/OUT)の3-5倍、PentiumDベースで4-6倍程度の時間がかかっている。これはトランスコード系システムの性であるが、スマートレンダリングを行うシステムでもウォーターマークのようなテロップを延々とオーバレイさせるような内容であったり、全体的にカラコレなどのエフェクトを多用するであればトランスすることとあまり変わらない。
と、まあHDVに出力するとなるとテープ書き出しの時間も含め大体7倍程度の時間がかかるのは常であり、どのようなシステムを導入するにせよ極論すれば今のところは60分の完パケをテープに戻すには最大7時間程度はかかるということである。
このノンリニア黎明期のような、膨大なエンコード・レンダリング時間を軽減させるプラグインが上記Speed Encoderなのである。
実際に検証を取ってみたのでご覧いただきたい。
エンコード元データは1080i/60iの素材を5分に編集したもの、テロップを最大2本(ウォーターマークとクロール)トラジションはディゾルブのみ、全体的にカラコレをかけている。(写真2)
この素材を最高画質・高画質モードでProcoderとSpeed Encoderでエンコードしてみた。
結果は一目瞭然である。Procoderは前回の記事でもPentiumDでのエンコード時間は4-6倍程度と記載した通りの結果を出したが、Speed Encoderでは最高画質で実時間の3倍強、高画質で2倍強で完了してくれた。
Xeonを使用すればさらに良好な結果が期待できる。
いや、本当に+18,000円でこれだけエンコード時間が短くなるのであれば、HDV編集では「お勧めする」どころか「必須」であろう。
(2006/1/10追加補足)
SpeedEncoderを使用した場合とProcoderを使用した場合の画質チェックが上がったので紹介してみる。
元映像はHQスタンダードで取り込んだもの。(写真3)
他4点はそれぞれSpeedEncoder高画質・最高画質とProcoder高画質と最高画質で書き出したものだ。まったく同一フレームでないことはご了承いただきたい。
元映像はご覧の通りMPEG的に厳しいところを狙ってみた。また、下部のテロップはクロールにしている。切り出した画は倍率を200%に上げた。(写真4)
元映像がスタンダードなので、どちらも最高画質にしたところで高画質と変わりない。またProcoder(写真5,7)とSpeedEncoder(写真6,8)の違いもお分かりになるだろうか。