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VELXUS300試用レポート

2006/01/18 コムワークス PC事業部 今井英夫

VEXUS30011月の発表以来待ちに待っていたVELXUS300が遂に出荷された。
カノープスから検証用に一式を借りることができたので、レポートしてみたい。

VELXUS300はそれまでのVELXUS500/500LEと違い、PCI-Express(PCIe)1xで動作するボードだ。

対応CPUはPentiumD〜Xeonのデュアル、それ以下でも動かないことはないが肝心のHDVが対応できない。
PentiumD+PCIeに対応できたことによりシステム価格を大分下げることに成功した。

それまで弊社VELXUS500モデルでもPentiumDスペックで提供していたが、64bitPCIを搭載するマザーボードはかなり種類が少なく、サーバ・ワークステーション用のマザーを調達するしかなかった。
今回PCIeとなったことにより、一般的なPentiumD対応マザーボードでも動作可能となったことは自作派ユーザーの方たちにとっても朗報だろう。

今回の検証ではPentiumD 830 CPUに945Pマザーボード、メモリは1GBと弊社ターンキー標準の内容でセッティングした。
(写真1)


CPU、メモリともクロック周波数・容量が多ければ多いほどいいに越したことないが、システム価格が青天井になってしまう。コストパフォーマンスを考慮してのスペックだが、カスタマイズにも対応しているので皆さんの編集用途、目的を教えてもらえれば最適な提案ができると思う。

添付ソフトはEDIUS Pro3とInscriber Title Motion Pro。
(写真2)

今回のセットではDVDオーサリングソフトとACIDが添付されていない。
早速インストールし、使い勝手を試してみた。

EDIUSはバージョンが3.6へあがっており、プロファイルで選択できるフォーマットの幅が広がった。CANON H1・Panasonic用として1080/30pと24pが、Victor/JVC用として720pを選択できるようになった。(写真3)

DVでもDVX100/XL2用として24pと24pAが選択でき、HDV/DV対応カメラのすべてに対応できている。
(写真4)

VELXUS300装着したところ
(写真1)
VELXUS300装着した内部の様子
 
EDIUS Pro3とInscriber Title Motion Pro
(写真2)
EDIUS Pro3とInscriber Title Motion Pro
 
CANON H1・Victor/JVC・Panasonic用プロファイル
DVX100/XL2用プロファイル
(写真3,4)
CANON H1・Victor/JVC・Panasonic用プロファイル
(写真,4)
DVX100/XL2用プロファイル
 
HDV機器からの取り込み
早速カメラをつなげ、取り込みをしてみよう。カメラはHVR-Z1Jを使用する。

注意してもらいたいのはカメラ側の設定をHDVで固定しなくてはならない。Z1Jの場合、VCRで立ち上げ、メニューから「入出力/録画設定」を選択、VCR HDV/DVの項目をHDVに固定。i.Link DV変換は切っておいてほしい。
(写真)

また、カメラの設定中はIEEE1394ケーブルははずしておく。ケーブルをさしたままだと変更内容がうまくVELXUSに伝わらなく、誤認識の原因となる。

上記カメラの設定を完了したら、IEEE1394ケーブルを接続する。EDIUSを起動し、出力デバイスをNHX-E2 Outputを選択する。

Z1Jの場合HDV編集を選択する際はHD 1440x1080/60iを選択する。出力デバイスの選択を間違えても編集は可能だが、エクスパンションボードからの出力が一切なされない。コンポーネント・RCAから出力されないので、LUMAのようなモニター出力を行っている場合、画面に何も表示されなくなる。
(写真5)

カメラ設定・プロジェクト設定のこの2点は特に問い合わせが多い内容なので、注意してもらいたい。

早速キャプチャに移る。HDV映像を取り込む方法としてはEDIUSVer.3.3からMPEGキャプチャだけでなく、ソースモニターからのキャプチャに対応した。ソースモニターからキャプチャする場合は原則HQコーデックである。HDVネイティブでキャプチャする場合のみMPEGキャプチャを使用する。

ソースモニターから取り込む場合に有利になるのが、IN/OUTを事前に設定するバッチキャプチャに対応できるので、DVキャプチャと変わらない操作感で取り込みができる。

MPEGキャプチャではIN/OUTでのキャプチャはできない。デュレーションでキャプチャ終了点が決められるのでHDVネイティブでとりたい場合は予めテープアウトをデュレーションで設定しておき、適当なところで録画ボタンを押しそのままキャプチャさせればいいだろう。MPEGキャプチャではHQ取り込みも可能であるが、HQでとる場合はソースモニターから行ったほうが勝手はよい。

ソースモニターから入力元を表示するとHDVの項目がGenericとなっているが、これは間違いではない。
HDVを接続する際、内部的にVELXUSはADVCモードとなる様でVELXUSのIEEEポートはGenericとして認識されるようだ。ソースにGeneric HDV-inputを選択すると、ソースからZ1Jのコントロールが可能となる。

キャプチャが終わればBINウィンドウにキャプチャ映像が張り付くのでそのままタイムラインにおけばよい。バッチキャプチャでは、HQスタンダードで取り込んでみたがHDVであっても確実に1フレーム単位でキャプチャしてくれた。TCも正しく反映されている。

HVR-Z1Jの「入出力/録画設定」画面
(写真)HVR-Z1Jの「入出力/録画設定」画面
 
HDV/1080i取り込み時のEDIUSのプロジェクト設定
(写真5)クリックで拡大します。
HDV/1080i取り込み時のEDIUSのプロジェクト設定
 
エフェクトをかけてみる。とりあえずオールドフィルムとモノトーンをかけ、値を適当にして再生してみた。まったく問題なく再生されている。
引き続きVELXUSシリーズの比較表(http://www.comworks.co.jp/modules/nonliner/index.php?id=120)に基づき、リアルタイム性能がきつそうなエフェクトを試す。

ビデオノイズは多分駄目だろうと思いつつ粒子を33、グレースケール設定にしてみて再生させてみる。
まったく問題なく再生される。写真をごらんいただければお分かりであろうが再生可能なスカイブルーがタイムライン上部に出ているのがお分かりだろうか。再生限度を示すバッファも94-95を保っており、かなり安定した動作を示している。
(写真6)

次にピクチャーインピクチャー(PinP)をかけてみる。2本はまったく問題ない。3本でも30秒ほどであったが再生された。試しに25秒ほどのインサート映像を乗せ、走らせて見ると再生後スカイブルーとなってくれた。ただしこれはエフェクトをまったくかけていない状態である。
(写真7)
カラーコレクション(カラコレ)系エフェクト+モーションブラーををかけた映像は問題なかったが、オールドフィルムやビデオノイズなどCPUを使いそうなエフェクトだとPinPもうまく回ってくれなくなった。

次にPinP 2本のビデオストリームにタイトルを1ライン乗せてみる。2分48秒ほど走らせて見たが順調に再生される。PinP2本と2タイトルでは30秒ほどしか再生できなかった。
次にオールドフィルムとモノトーンをかけた映像PinP2ストリームにタイトルを2ライン入れてみる。バッファは下がりつつも30秒弱程度ならリアルタイムで回るようだ。
(写真8)

ビデオ1ストリームにタイトルを乗せた場合、4本までは問題なく再生される。(ビデオエフェクトは未適用、またタイトル作成にはカノープスタイトラーを使用した)5本以上は再生時間に制限が発生するが特に問題はないだろう。

結論をいうと、ビデオは2ラインまで、タイトルを入れた場合は1ビデオ+4タイトル、エフェクトはカラコレ系であればほぼ問題なく再生できる。

次にレンダリング時間のテストを行う。メイン映像にモーションブラーをかけ、その上にPinPを2ライン50秒を乗せてみた。結果は1分50秒かかり約2倍強の時間がかかる。今度はこの映像に4本のタイトルを乗せてみる。3分20秒で4倍の時間となった。

レンダリング時間、リアルタイム性能はCPUパワーに依存するため、より快適でスムーズな編集環境を望む場合はXeonベースのシステムを構築したほうがいいと思うが、上記の性能でも編集できないことはないと考える。

総じてHDV編集は、DV編集に慣れきった身体ではかなり複雑なトラジション・エフェクト、オーバーレイをかけてもまったく問題なくリアルタイム再生されたことに比べると非常に重たい・使いづらい印象を受けるが、考えてみれば3年ほど前のDVStormシリーズも似たようなリアルタイム性能であることを思い出せばこんなものかなとも思えてくる。流石に合成をメインに使用する編集環境ではつらい部分があることは認めるが、ほとんどの場合EDIUSを使用した編集ではカット編集とタイトル・テロップのオーバーレイであることを考えると実用には問題がないのではないだろうか。

 

ビデオノイズ 粒子を33、グレースケール設定
(写真6)クリックで拡大します。
ビデオノイズ 粒子を33、グレースケール設定
 
PinP 3本
(写真7)クリックで拡大します。
PinP 3本
 
PinP 2本のビデオストリームにタイトルを1ライン

(写真8)クリックで拡大します。
PinP 2本のビデオストリームにタイトルを1ライン

出力
出力を試してみる。
ご存知のとおりHDV録画にはMPEG2が圧縮形式として採用され、LongGOP・IBPフレームによる時間圧縮がかけられているためHDVネイティブ対応システムであってもカット編集・オーバーレイエフェクトなどをかけてしまうと出力時にGOPを再生成しなくてはならなくなる。さらにEDIUSではHQコーデックによるトランスがあるので、この場合もう一度MPEG2へ再変換しなくてはならない。

EDIUSを使用してHDVをテープへ戻す場合、一度このMPEG2へ再変換するという作業が発生するのである。
この再変換する時間であるが、5分の映像を作り変換することにした。途中PinPやタイトル・テロップ、エフェクトなどをかけ、キャプチャした素材そのままの映像ではないことを明記しておく。

テストパターンは2通り作成し、一つは1VA+インサート用映像とテロップを貼り付けたとても簡単なもの。もう一つはビデオラインを3ライン使用し、ベース映像にそれぞれインサートやPinPをかけ、テロップ最大3ライン、オーディオを別に1ラインとったもので出力をかけてみた。結果は最初のもので22分38秒で約4倍強の時間、2つ目のもので28分8秒と5倍強であった。今回はSpeedEncoderを借りることができなかったので、これがノーマルな時間であると考えてもらってかまわない。

SpeedEncoderを使用するとカタログスペック上は約半分のエンコード時間になるらしいので期待がもてそうだ。
より複雑な編集を行う場合はもう少し時間がかかると思うが、カット編集中心であれば5倍〜6倍程度でエンコードができると思う。これもCPUに依存するので、待つことが非常に苦手な人はXeon+SpeedEncoderのセットをお勧めする。

エンコード作業が完了したら、テープへの書き出し作業を行う。書き出しにはEDIUSと別にTS Writerというソフトを使用する。この辺の作業は一体にならないものかといつも考えるが、まだ実現できていない。書き出しには当然であるが等速の時間がかかるので、60分の作品であれば60分かかるものと考えてほしい。
まとめ

VELXUSシリーズ :筐体以上、VELXUS300を試用しての感想をざっと述べてみた。

総論を申し上げるとVELXUS500/PentiumDのシステムと使用感はほとんど変わらず、それ以上にEDIUS3.6がかなり軽快に走ってくれたため、編集中のフラストレーションがたまることはなかった。レンダリングとHDV書き出しには遅さを感じることはあったが、これはどのようなシステムを使用するにせよHDV編集をする上での現在の限界であろう。

比較検証用に他システムもテストしたことがあったが、総じてレンダリングにはとても待たされるのが現状だ。今回はテストレポートの都合上、再生が間に合わなければストップさせる設定にしていたが、通常編集するときは間に合わなくても再生させておけばいいだけである。

今までHDV編集をwindowsで行おうとすると398,000円のVELXUS500ボードと64bitPCIバスを持った高価なワークステーションを用意しなければいけなかったが、VELXUS300は188,000円(税別)でしかも最近のPCには必ず搭載されているPCIe接続である。5年ほど前にDVStorm-RTが発売されたときもその性能に驚かされたが、今回のVELXUSもそれに劣らない衝撃を与えてくれた。

そして、弊社でも今回のComStation VELXUS300Typeを5年前のDV編集機とほぼ同じ価格で発売できることになった。ぜひ手にとって頂き、その性能を実感してほしい次第である。

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